リクエスト作品

□お酒の力
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おたべside

「ソルト!!あんたそれ・・・」

見たことのない笑顔で「おかえり」なんて言うソルト。

にっこにこしてて、いつもの静かなソルトとは打って変わって別人みたい

こうなったんはたしか前もあった気がする。

そう、前回同様お酒の力で・・・

「お疲れ様〜、疲れたでしょ??」

そう言ってゴロンとカーペットの上に寝そべった

「そばで寝よっか??」

そう言いながらまたにっこり微笑む

「あかん!ほら、お酒返して」

ちょっと厳しめにいってお酒の缶を取り上げる

「なんで飲んだん??まだ未成年やろ」

「そう言う由依は飲んでいいの??高校生だよ」

ちょっとしかめっ面でお酒の缶をじーって睨んでる

「あたしはハタチやからもうええの」

駄々を捏ねるソルトは可愛いもので、はだけた胸元にちょっぴりドキッとする

「飲んだあかんって前も言ったやろ」

抜かれた黒いスカーフが弱々しくソルトの足の下敷きになってる

「ほら!スカーフちゃんと巻きなよ」

いじいじしてるソルトの頭にちょこんと手を乗せる

「だって・・・全然構ってくれないから」

「え?」

数秒たってお酒の話やって気付く。

「悔しくなって由依の全部飲んでやろって・・・ごめん」

その意外な理由に目を丸くさせた

なんやねん・・・やけ酒かよ

「怒ってへんよ、でも体にわりから未成年のうちはあかんで??」

ぐしゃぐしゃって、わちゃわちゃに頭を撫でたらくすぐったそうに微笑んだ

「うん・・・分かった」

「あと寂しくさせてたみたいでごめんな?」

ゆっくりとかすように髪を撫でてソルトの頬に手をピタッと当てる

「私は1人が嫌い・・・でも今こうして由依が居てくれてるだけで満足」

寂しげに笑ったソルトはさっきのソルトとはまた違う別人

「だから・・・私には由依が必要だから・・・傍にいて・・・離れないで、消えないで」

消えるような細い声で服のすそをぎゅっと握りしめてくる

「私は由依が好き・・・ずっと、これからも」

求めるようにまっすぐあたしの目を見つめてくる

そんな珍しく素直なソルトをぎゅっと抱き締めた

「分かった、ソルトがそう言うんやったら傍に居てる・・・、でもソルトもやで?それは。」

お酒の力借りやなこんな事言えやん不器用なソルトやから

あたしはこんなに過保護でソルトを守ろうとする

いや・・・

ソルトが好きやから・・・守りたいんかもしれへんな。

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