リクエスト作品

□エース
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優子side

お互いAKBのエースとなって色々なお仕事を経験させて頂くことが多くなった

多くなれば当然あの子と会う時間も限られてくるわけで会えない日の方が多い程

その・・・なんて言うか・・・

さみしいじゃん?

今日はお仕事が思ったより早く終わって胸を高鳴らせて家に向かう

でも窓のひとつも灯りが灯ってなくて、寂しさが胸をいっぱいにした

「ただいま」その一言は暗闇の音にかき消される

はずだったのに、いつもより一足多い靴が私の期待を腫れ上がらせる

靴を脱ぎ捨ててカバンをほりだしリビングに続く扉を音を気にせず大きく開けた

でもやっぱり誰もいなくて真っ暗闇のなか、ぽっつりと立ちすくむだけ

だよね・・・今日は忙しいって言ってたし居るわけないよね。

カバンをとりに来た道に踵を返そうと後ろを向いた時

柔らかく優しい何かに顔から突っ込んだ

「え?」

慌てて離れて前をみる

無邪気に笑うあっちゃんがいた。

「ゆうちゃんおかえり」

軽く首をかしげて微笑むあっちゃん。酷いよ・・・

そんないきなり・・・。ずるい

「た、ただいま」

この胸の高鳴りがバレないようにそっぽをむいて誤魔化す

「どしたの?寂しかった?」

溢れ落ちそうな涙をそっと人差し指で拭ってくれて、そんな些細なことにまた涙を落としそうになる

会えない寂しさと会えた嬉しさの複雑な涙

「寂しかった・・・」

今ぐらい、素直になりたい

「おいでゆうちゃん」

手をひかれてソファーまで誘導される

抵抗する気なんかないけど。

「今日は一緒にいられるから。泣かないで・・・」

「今日はだけ?」

じっと目を見つめたらまん丸だったその目がしゅっと細くなった。

「ううん、ずっと傍にいる。」
────

そっからはあんまり覚えてなくて言いづらい

でも・・・私が幸せだった。

その事は忘れられない…

「ゆうちゃーん」

「ん?」

今もずっと幸せなんだけどね

あっちゃんの隣でいられるから

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