赤鬼作 短編集
□期待の裏切り3
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由依side
あたしの左肩に頭を傾けてすっかり眠ってしまった
今は車で遥香の事を家まで送る途中。
ごめんな・・・遥香・・・
あたしは泣かせたんや、大切な遥香を。
なんでいきなり対応が冷たくなったかって言えばびっくりするぐらい自己中で馬鹿げた理由。
遥香を愛してまうんが怖かったから・・・。
遥香を愛して好きになっても、今の関係が続くんか?って。
もし崩れてぎこちない仲になってまうんやったら今の生ぬるい関係で良いかな・・・って。
でもそれは結果遥香を傷つけてた。
遥香をこれ以上好きにならんようにって離れて、でも遥香は付いてきて、突き放して、涙流させて・・・
赤信号になって一旦車を止まらせた
街はすっかりクリスマス仕様になってて、イルミネーションがまぶしく街を包んでる
遥香の頬をそっと撫でれば幸せそうな笑みをこぼした
青に変わってふたたびアクセルを踏み込む。
―───
「遥香ー着いたでー?」
揺さぶっても声掛けてもなかなか目を覚まさへん
「遥香??」
「ん・・・」
うっすらと目を開けてあたしを見たら微笑んだ
「ありがと・・・送ってくれて・・・」
「ううん・・・大丈夫?立てる?」
ふらふら危なっかしい遥香を支えて家の中まで上がらせてもらった
まだ御両親も帰って来てなくて家に誰もおらへんからそれまでの看病みたいな感じ。
制服からラフな服に着替えてベッドに横にしたものの数秒で軽く目を閉じて寝息を立て始める
お疲れ様やな、心のなかでそっと呼び掛けて額に滲む汗を拭き取った
耳らへんのうぶ毛が汗で張り付いてなんとも言えやん雰囲気を出してる
「っ・・・チュ・・・」
遥香初めてじゃなかったかな・・・?
贅沢言い過ぎやけど・・・初めてであってほしい
掛け布団を肩まで被せて右手をしっかり握った
もう・・・自分の気持ちに嘘はつかへんあたしは・・・遥香がすきやから。