赤鬼作 短編集
□あなたの隣だから
1ページ/1ページ
ソルトside
ちらっと右を見ると熱いハートが世を飾っている
左を見るとプレゼントを片手に子供と遊んでいる家族の姿
だから苦手なんだ・・・、クリスマスシーズンは。
どこを見てもキャッキャキャッキャ、イチャイチャイチャイチャ・・・
ほんと、慣れないこの空気。
別にクリスマスに恨みがある訳じゃない。
彼氏が居なかったことも無いけど・・・この空気が苦手なんだ。
人に酔いやすい私はすぐにクラクラ世界が回り出す
「ソルト大丈夫か?」
困ったように笑ったおたべは胸元に赤いリボンをつけていた
「楽しんでんのか・・・この状況に」
「ん?楽しいやん、クリスマスって」
いつもそうだ。
私は、祭りとかパーティーとか人の集まりが苦手なのにおたべは真逆なんだから
でも、この笑顔が見れるならそれも悪くないかな・・・。
「今年のクリスマスは楽しかったよ」
「お!なんで?」
「おたべの隣だから」
「ば、バカ!!」
最高のクリスマスプレゼントだ。
これからもずっと私の隣で笑ってくれますか?
星がきらめく夜空に9匹のトナカイとヒゲをはやしたおじいさんが見えたような見えなかったような・・・。