赤鬼作 短編集
□意外な関係性
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ゆいはんside
久しぶりに休暇がとれて家でゴロゴロのんびりしてたらピンポーンって呼び鈴の音
靴を引っ掛けて、扉を開けてあたりをキョロキョロ見回してたらぬっと扉の影から現れた
懐かしい子・・・
「っ・・・お久しぶりです」
ご丁寧に頭を深く下げるこの子はあたしの妹の同級生・・・
同級生・・・?同級生??
まぁそれはともかく久しぶりに会いに来てくれたこの子に満面の笑みを向けた
「久しぶりやな〜、立ち話もあれやし入る?」
「いや大丈夫です、すぐ来ると思うんで・・・」
そんな遠慮する[遥香]の手をひいて家に上がった
この愛想の欠片もない可愛い子は妹のお友達
いつも遊んでくれてて嬉しいんやけどちょっぴり不安やったりもする
「最近お仕事どうです?」
「ん?キツイわーでも楽しいで」
遥香の言うお仕事はアイドルってこと。こんなあたしでもAKBのリーダーになれたんやからな
にかって笑えば普段笑わん遥香がチョッぴり笑った気がした
「マジ女楽しい?」
「え・・・退屈です」
あたしの言ったマジ女って言うんは妹と遥香が通ってる・・・ヤンキー校
遥香はこんな可愛らしい顔立ちしててヤンキーのトップなんやからな
「あの」
「ん?」
いつになく真面目な顔になった
「最近あいつ悩んでませんか?」
あいつって言うのはきっと妹のこと
「なんか変か?」
「いや・・・笑顔が消えたな・・・って」
普段笑顔ない子が、人の笑顔気にしてるんかい
そんなツッコミは口には出さず真剣に考えてみる
「んーどうやろ」
「無いですか?」
そんな事喋ってたら玄関の扉が開く音がした
「お、おかえり」
「おぉ、ソルトいらっしゃい!ただいま」
そう言われてみたら笑顔がない気がする
なんかあったんかな、あたしはもう明日から仕事やし妹の側にはいてちゃれん
こういう時は、親友の遥香が支えてあげんねんで?