赤鬼作 短編集

□不器用ベイビー2
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李奈side

「そるとすきなこおるん?」

たまたま聞いてしまったこの会話。良いなー、恋バナって。

でもまだ幼稚園だよ?(笑)

このふたりが大好きだから、そのまま角に隠れて見届けることにした

「なんで?」

「なんとなく」

一緒困ったように首を捻ってたけど、こくんと頷いた

「いるよ、けんたくんすき」

けんたくんって・・・確か隣のクラスの?
けんたくんモテるしね...。

あの遥香ちゃんも好きなんだからよっぽど良いんだろ

「おたべはいるのか?」

「おるよ・・・」

さっきの元気さはどこに・・・

いきなりブルーになった由依ちゃん

「だれ?」

「ひみつ」

あーあ、絶対また喧嘩始まっちゃうよ

「なんでだよ!!はるかおしえただろ!!」

「いいたくないもん!!」

「はるかいったのに!!」

そこまで言ったらいきなり由依ちゃんが遥香ちゃんの肩を掴んで壁に押し付けた

「お、おたべいたい!」

「ゆいは、はるかがすきやもん!」

その瞬間しーーんっと静まり返った辺りそっと、見てみたらもっとびっくりすることが起こってた

「っ・・・////」

遥香ちゃんは相当驚いてるみたいで大きく見開かれた目がおろおろ泳いでた

由依ちゃんは由依ちゃんで、固く目を閉じて顔を真っ赤にさせてる

「っゆい・・・?」

「ごめん」

気まずい雰囲気がふたりの間にさまよってて、由依ちゃんの目にみるみる涙が溜まってきた

「はるかのことずっとすきやったから・・・けんたくんにまけたくない」

そう言った由依ちゃんを遥香ちゃんは優しく抱きしめた

「はるか?」

「けんたくんすきとかウソ・・・。ずっとゆいがすきだったよ」

なんだよこの、綺麗な恋愛こっちまで涙が・・・

っん・・・?

こいつらまだ幼稚園児だよ・・・。

次の日からもずっと喧嘩してて一緒に遊ぶのは変わらなかった

唯一変わった所

それはお互いが固く手を握り合ってたところかな。

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