Splatoon

□無自覚な柴犬
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ホタルside

ホームルーム後、バックを肩にかけた瞬間、廊下の方から黄色い声が聞こえてくる

あーきっとアオリちゃんやろうな。
なんて上の空で考えてたらガラッと教室の扉が開かれた

教室に残ってた人達は、キャーなんて声あげちゃって。

「ホタルちゃん!」

アタシを見つけたアオリちゃんの顔が真っ白な歯を見せてニカッと笑う

そんな柴犬のような無邪気な笑顔にもまた悲鳴があがって、そんな声が聞こえてないかのようにアタシの方に駆け寄ってくる

アオリちゃんは昔っからそう。

男の子にも女の子にもモテモテで、特に女の子の方の人気が凄い

それは小学校の頃も中学校の頃も高校生になった今も。

「ホタルちゃん用意できた?帰ろ!!」

毎日毎日同じことの繰り返しだから慣れたっちゃ慣れたけど

やっぱりこんな視線が痛かったりする。

「あ〜うん。」

差し出された手をちらって見て繋がんままバッグを肘にかけた

そんなアタシにアオリちゃんは肩をすくめて見せる

「そーだ!今日は祭りあるらしいよ?行く??」

今日の昼頃に
「アオリ!今日は空いてる?一緒に祭り行かない?」

「あ、今日は祭りなのー?ごめん!今日は用事あって・・・」

なんてやり取りを聞いたあとだからちょっとだけ拍子抜けした

「今日用事あるんとちゃうの?」

「んーあるよー、ホタルちゃんとお祭り」

無理矢理手を取られ、スキップをしながら先を歩くアオリちゃんに駆け足で付いていく

「なにそれ、アタシ知らんよ?」

「今言ったんだもん」

こんなアタシたちを・・・

って言うよりアタシを睨みつける目にも慣れっこで目をそらした

アオリちゃんは気付いてんのかね・・・

自分がこんなにも憧れの的で、人気があって、アタシがこんな目を向けられてるってこと

「ホタルちゃん?」

「ん、え、あっ、めんごめんご」

変なの〜っと再度スキップガールに手を引かれる

アタシは気付いとるよ、なんやかんやアオリちゃんの手は汗ばんでて、ほんのり顔が赤く染まってること。


この無自覚で無意識の柴犬は、いったいどこまで無自覚で無意識なんだろう?

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