Splatoon

□お菓子の詰め合わせ
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ホタルside

「ホタルちゃん!起きて!朝だよー!」

ぼんやりと虚ろな世界に、騒がしいアオリちゃんの声が響く

「んん・・・」

「今日はオフだよー!!」

バシバシと布団の上からお腹を叩かれる

「分かった・・・ってオフなんかい!」

我ながら、こんな時でもアオリちゃんの天然ボケに突っ込んでしまう

「えへへ、健在だねーホタルちゃんのツッコミ!」

「持ち技みたいに言うのやめんしゃい」

せっかくのオフなのに8時に起こされたまだ半分寝なまこのアタシ

とは反対にアオリちゃんは何やら楽しそうにリュックサックにあれやこれやと詰め込んでる

「ちょっと待ってアオリちゃん」

「んー?早くしないと置いてくよー」

「いやちょっと待って?!」

アオリちゃんが手に持ってるのはお弁当やら水筒やらお菓子やら・・・

「アタシ行かんからね?」

そう言えばしゅんとアオリちゃんの眉が下がる

アオリちゃんから満ち溢れていた黄色い光が一瞬にして暗くなる

「うっ・・・そんな顔しやんの」

テンション下がりました、とでも良いだけなアオリちゃんの顔

露骨に態度に出さんでよ・・・

その・・・断りにくくなるっしょ?

「行ってくれないの・・・?」

アオリちゃんの、薄いピンクに白い星のゼッケンがついたシンプルなリュック

その横に置かれているのは、アタシの薄い黄緑のリュック

薄ピンクのリュックのようにアタシのリュックもパンパンにナニカが詰め込まれてて、ほとほとため息しかでない

「あーーもう分かった!だからはよ顔上げんね」

パアっと明るくなったアオリちゃんを片目に、洗面所の前に立ち、歯を磨く

下ろしている髪を高いところでひとつにまとめ、顔をよく洗う

アオリちゃんに目をやると安定のノーメイク

香り付きリップを軽く唇に引いて、服を着替えた

「はい!ホタルちゃんのリュック!」

受け取った瞬間ずっしりとした手応えが両手にのしかかる

「アオリちゃん・・・何入れとんの、これ」

アオリちゃんのリュックもパンパンに膨れ上がってる

一体何を入れたら二人分のリュックがここまでいっぱいになるのか・・・

「えっとね、お弁当!」

「あと?」

「水筒でしょ、お菓子でしょ、携帯と財布とレジャーシートと、クッション!」

なるほど

お菓子か、こうも大量に重量を上げていたのは

「ピクニック行くん?」

「ううん!シオカラ地方!」

ちょっと待て

いや、ちょっと待って。

「おじいちゃんに会いに行くってこと?」

「んーまあそういう事かな!」

お弁当はまあ分かる、どうせアオリちゃんの事だし今日の朝決めておじいちゃんになんの連絡も入れず行くだろうから

でもレジャーシートって何?お菓子って何??

「アオリちゃん遠足と勘違いしてね?」

「ほへ?」

ほへじゃないよ全く

暴れるアオリちゃんを無理矢理押さえつけリュックの中身の5割ほどを占めていたお菓子を全て外に出した

「よし、んじゃ行こっか」

すきっすきになったリュックを恨めしそうに見つめるアオリちゃんを置いてひとり先に家を出た

生まれ育った故郷のシオカラ地方

おじいちゃん家にいるかな、お母さん達どうしてるだろ

なんやかんやで期待を胸に抱き、軽くなったリュックを背負い直した。

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