リク込み長編
□ロウソクの灯(アカシ・第1章
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【残酷な現実】
「由依・・・」
物寂しげな大きな瞳がうるうると輝き始めた
「ちょっ、泣くなって!」
「だって・・・由依がいなきゃ」
「新しい友達作るええ機会やろ?」
握りつぶされたクラスの名簿は無残にも由依と遥香を引き離していた
「あたしがそばに居続けてもなんも成長出来やん。」
肩を掴みまっすぐ遥香の目をみつめた
「これから先、家も仕事場も全部ひとりになるんやで?そんなんでやっていけるん?」
たかがクラスごときで大袈裟かと思うが、それほどこの2人にとってお互いの存在は大きかったのだ。
「休憩時間はそっちいくな?でも移動教室とかはちゃんと友達見つけなよ?」
まだ不安が溢れたその瞳から視線をそらし由依は人混みの中へと紛れ込んでいった
取り残された遥香は何を思うのだろう。
ひとりぼっちの世界観に救世主は現れるのか。
全てはこれからの物語次第
そして、遥香や由依の運次第。