赤鬼作 短編集
□月光の光
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遥香side
真っ暗闇の中を月光だけが足元を照らしてくれる
でもただの月光でしかなくて孤独の世界から救い出してくれるものではなかった
着なれてしまった病服は死を嫌というほど迫らせてくる
先生やお母さんは、頑張ろうね。なんて声を掛けてくるけど知ってるよ
私がもって1年の寿命だって・・・
それを知ってもなぜか悲しむことが出来なかった
寂しい。
ただそれだけ。もっとみんなと遊びたいし、まだ習ってないところも学習したい
それに・・・あの子ともっと笑いあいたかった。
空しさや、苦しさを胸に押し込め今日もまた眠れぬ夜を過ごす。
明日来るであろう【明日ミライ】を信じて。