オリジナル小説
□とある魔女の物語
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私の名前は森野 楓。
前は市原 胡桃って言う名前だったみたい
「だったみたい」って言うのは
私には、その時の記憶がないから
『森野 楓』って言う名前をくれたのは私の師匠
その師匠との出会いは凄く突然
道を歩いてた私に声をかけて来たのが師匠だった
「貴女・・・才能あるわよぉ」
師匠がそう言った後、見知らぬ建物の中にいきなり移動してた
多分その時の記憶もないんだと思う
とにかくその建物の中で、師匠に教えて貰った事
それは魔法≠セった
頭が可笑しいとか思われるかもしれないけど本当の事
炎や、宝石を手から出したり
見てて飽きないものばかりだった
教えて貰って、自分が出来るようになって
夢中で吸収していった
時間が経過するのを忘れるほどに
「そういえば貴女の名前を聞くのを忘れてたわね なんていうのかしら?」
師匠がしてきた、いきなりの質問
普通の人間なら直ぐに答えられるもっとも簡単な質問に
私は答えられなかった
「あらあら、自分の名前を忘れちゃったのね?」
師匠はくすくすと妖艶に笑いながら
「じゃあ、これから『森野 楓』って名乗りなさい」
って言ってくれて、それ以降、この名前を名乗ってる。
どうしてこの名前なのかは分からないけど、私は気に入っている
師匠が付けてくれた大切な名前だから・・・・
あの時まではただ単にそう思ってた
今は心の底からこの名前を私にくれた事を感謝してる
だって、この名前は・・・・
師匠が人間≠セった頃の名前だから・・・
魔法を一通り教えて貰った時の事
他にも教えて貰った事の1つ
魔女の秘密
魔女って不老不死って言うイメージがあるけど
実際には年を取らないだけらしくて
魔女にも寿命≠ェあるって
どうやら魔女にも個人差があって
一概に何年とかって言えないみたいなんだけど
寿命≠ヘ自分たちで感じ取る事が出来るんだって
寿命≠感じ取った魔女達は
後継者となるべき人間≠探す
私が選ばれたように
そして、魔法≠教えていく
その時、選ばれた人間≠ヘ記憶≠無くしていく
私が人間の時の記憶を無くして、自分の名前を言えなかったように
記憶を無くさせた後、師匠魔女の好きな名前を与える
師匠魔女の人間の頃の名前を与えるのは
ごく稀な事なんだって聞いた
人間だった頃の名前を教える事も余りないって
成長を見届けて、ある儀式≠終えた後
師匠魔女達は寿命≠迎える
その儀式って言うのは
とても悲しいものだったわ・・・・・