『消えた光』

□3.危機感
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「エド、ずいぶんきれいになったスよね」



ハボックのその一言に、全員の手が止まり、話題に参加しだした。



「あら、元々エドワード君は綺麗だったわよ?」



珍しく話題に参加するホークアイ。

どんな鬼副官もエドのこととなると優しい母(姉?)となるみたいだ。

何というか……最強エド?

その本人は本日はお休みなのか、司令部には来ていない。



「まぁ、そうスけど、そうじゃなくて……」

「女性らしさが出てきたってとこか?」

「そう!中将も見てて思いません?」

「まぁ、言いたいことは分かるが……」

「今まで蕾だった華が咲き始めたんでしょうね」



日に日に綺麗になるエドワード。

機械鎧がなくなったのもあるのか、女性らしい体つきになっていく。



「けど、それが本来の彼女の姿だったんでしょうね」



普通の少女たちと同じように成長していればそれが当たり前だった変化。

けれど11歳からの大きな枷は、エドの成長を止めていたのだろう。

……その枷がなくなればどうなるかなんて、考えなくても想像がつく。



「……本人は無自覚っスけどね。まだ自分は男にしか見えないって思ってますから」



男のように振る舞う期間も長く、また周りにも男だと認識され続けてきた影響か、エドはまだ自分は男にしかみられてないと思ってる節があった。

そんなことないというのに。

知らないのは本人だけだ。



「でも、そろそろ自覚してくれないと、ちょっと危険っスよ?」



今でも昔の名残りか、何でも自分で解決しようとする。

……しかも自分から危険に突っ込んでいくのだ。

これには司令部の全員が頭を抱えていた。

注意しても本人はよくわかっていないし……、

いつかとんでもないことになりそうで……






「マスタング中将、セントラル駅でハイジャックがあったそうです!」


駆け込んできたのはたしか、ニール少尉だったか?


「そうか……」


いつになってもハイジャックはなくならない。

本来ならすぐさま現場に向かうのだが、ロイたちは一度ため息をついてから重い腰を上げた。


最初の頃(エドが戻ってきたころ)は周りも急げよ!というオーラを出していたが、今ではまたか……というオーラ全開だ。





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