長夢〜願いはたった一つ〜
□要注意
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「さぁ・・・抵抗しないでください。なにも殺そうとするわけではない。」
「いや、あなたは不死でしたね・・・。」
「少し血を分けて欲しいだけです。」
そういいながら山南さんは一歩一歩近づいてくる。
じり、じり・・・
そのとき襖がスッとあいて土方さんが私をかばうように前にたった。
「なにやってんだ、山南さん。」
土方さんに私は身体の力が抜ける。
しかし山南さんは土方さんの前でもなお刀を構え、土方さんを説得する。
私が・・・身を差し出せば・・・。
私は迷惑をかけている・・・?
私の頭の中はそれでいっぱいだった。
土方さんの説得に山南さんは刀を納めた。
そして、私の部屋を出て行った。
「大丈夫か・・・・?」
『土方さん、ありがとうございました。』
「悪かったな。」
土方さんの言葉に私はフルフルと頭を横に振る。
私はここにいてもいいのだろうか・・・。
この先もっとこの人たちに迷惑かけてしまうのじゃないだろうか・・・。
そんな考えを土方さんは見透かしたように私に言う。
「あんま余計なこと考えるんじゃねぇぞ。」
私の頭をポンポンとたたく。
『う・・・はい。』
私はなんとか笑顔で土方さんに返す。