長夢〜願いはたった一つ〜
□信じる心
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次の日広間に千鶴ちゃんと行くと近藤さんが渋い顔をしていた。
何があったのか聞くと、西本願寺からこれ以上ここにいられては困るといわれてしまったらしい。
きっと昨日の襲撃が原因だろう。
不動堂村屯所。西本願寺が全額負担で建築してくれることになった。
夏を迎える頃・・・
私たちは西本願寺を後にしたのだった。
新しい屯所につき、部屋割りをしている土方さんの部屋を千鶴ちゃんと訪ねた。
『幹部部屋のところに空き部屋を2つ用意お願いします。』
「あぁ?なにいってんだ!!?」
部屋割りを決めている土方さんが怪訝そうな顔をする!!
『ふ・た・り・分!!お願いします!』
『掃除は私と千鶴ちゃんがするんで!!』
私は土方さんにずいっと身を乗り出す。土方さんはちらっと千鶴ちゃんを見れば千鶴ちゃんもお願いします!!と頭を下げる。
「はぁ・・・しっかり掃除しとけよ。」
『「はいっ!!」』
土方さんの呆れ顔に私たちは満面の笑みを浮かべた。
先に千鶴ちゃんに部屋の掃除にいってもらい私はまた土方さんと対面する。
『・・・』
「なんだよ・・・?」
『ありがとうございます!』
『・・・きっと帰ってきますよ!平助くんも・・・。』
私の言葉に土方さんは少し目を丸くする。
「どうして平助もなんだよ」
じろっと私を土方さんが見つめる。
『ふふっ、なんとなくです。斉藤さんは・・・絶対帰ってくる気がするだけですよ?』
「ったく、お前は聡いな・・・。」
「いいか?このことは・・・」
『はい。誰にもいいません。』
私はいたずら笑いをして部屋をでた。