長夢〜願いはたった一つ〜


□秘密
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「剣客として生きていけずともお気になさることはありませんわ。」

その言葉に土方さんは声を荒げる。
それが逆効果になってしまい空気を悪くする



私は怒りの感情を伊東さんに覚えた。

『伊東さん?』

私はニコニコしながら伊東さんの近くまで近づく。
伊東さんはなぜか私を気に入ってくれていて、ことあるごとに話しかけてくる。私が伊東さんのことが苦手なひとつの原因でもある。

「あら?なにかしら月夜野くん。」
私が近づくと伊藤さんの顔が綻ぶ。

私は伊東さんの手をとりぎゅっと握り締めた。

「あ、あら?月夜野くんったら・・・///


イラッ

『伊東さんはとてもお優しいのですね?』

ギュッ

『山南さんの腕をそんなにまで心配してくれて・・・』

ギュッ
「つ、月夜野くん?ちょっと力がつ、つよいわ・・?」

伊東さんの笑顔が引きつる。

『でも、今の発言は周りを誤解させてしまう可能性がある発言ですので』

ギュッ

『今後お気をつけください』

私は感情のない満面の笑みで伊東さんの手を力いっぱい握りしめた。



その後伊東さんは近藤さんに連れて行かれた。私はその後ろ姿にあっかんべーをした。


原田さんは苦笑いしていたが、山南さんは何も言わず部屋を出て行った。

私は山南さんの去った後を眺めた。
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