長夢〜願いはたった一つ〜


□禁門の変
2ページ/5ページ


出陣する際、千鶴ちゃんは心配そうに私を覗き込んできた

『クスクス。私なら大丈夫だから、心配しないで??』

「・・・はい。気をつけてくださいね?」
返事はしてくれるもの心配な顔の千鶴ちゃんに私は困って笑った。

「大丈夫さ。こいつは俺が守ってやるから!千鶴。心配するな。」

後ろから私の頭を撫でる原田さん。

「はいっ!原田さん、秋月さんのことよろしくお願いいたします。」

『足手まといにならないようにしますね・・・』
私は少し顔を染めながら笑った。




出陣した私たちだったが、幕府側の情報は錯綜していて新撰組は援軍へと駆けつけた各所で「そんな話は聞いていない」と門前払いの扱いを受けた。

しかし出陣要請を受けている近藤さんは辛抱強く幕府に交渉を続けようやく九条河原で会津藩士の予備隊とともに待機になった。


明け方の砲撃の音に私たちは蛤御門を目指したが到着したときにはすでに敵勢はいなかった。


そこにそれぞれの情報が届いた。


公家御門にまだ長州藩士残っていること

過激派の中心人物らが天王山に向かっていること


土方さんは少し考えて指示をだす。

「・・・忙しくなるぞ。」
「原田は隊を率いて公家御門へ向かって長州の残党を追い返せ。」
「斉藤山崎は状況の確認を頼む。そして蛤御門の守備に当たれ」
「大将、あんたには大仕事で会津の上層部に掛け合ってくれ。追討するなら俺らも京を離れることになるからな。その許可をもらえるのはあんただけだ。」
「源さんは近藤さんに同行して暴走しないように見張ってくれ。」
「残りは俺と共に天王山に向かう」

「お前は原田と一緒に向かえ。」

土方さんはそういい私を見る。私は原田さんについていった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ