長夢〜願いはたった一つ〜


□夢を視る
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「私たちは広間で待機していたんですが、一度月夜野くんは外の空気を吸いたいと席をはずしまして、戻ってきたときに山崎くんが報告途中に本命が池田屋と口にしたんです。ね?雪村くん。」

「・・・はい・・・。秋月さんはすごくあせったように、悔しそうに顔を歪ませて・・・いきなり走って屯所を出てってしまったんです。」

山南さんに促された千鶴は暗い顔で話す。

「自分もすぐ後を追ったのですが・・・彼女は風のようにはやく追いつけませんでした・・・。」

山崎が話に入る。


山崎が追いつけなかった・・・?


周りをみると皆も驚いた顔をしている。

「俺たちと合流してその後はどうなんだ?原田。」
土方さんは俺を見る。

「あ、あぁ・・・俺たちは池田屋について、俺は裏に回って斉藤は正面から突入って話をしてたら、中から新八たちの声が聞こえてあいつはいきなり近くにいた隊士の刀を取って突入してったんだ・・・」

その後のことは斉藤が話し始めた。

「俺はすぐ後をおって店に入ると向かってきた浪士を秋月は簡単に斬り伏せた。そして俺に1階の平助を頼むといわれ秋月はすぐ2階に上がっていった。」

「少しして、風間と名乗る男が2階の窓から飛び降りて俺の前にきた。秋月もそいつの後をおって2階から飛び降りてきたんだ・・・。風間は自分の名前だけ名乗って姿を消した・・・。これで全部だ・・・。」

俺は言わなかった・・・。秋月がのことを風間は去り際に「月の姫」と呼んでいたことを。そしてその名前を秋月が繰り返したあと気を失ったことを・・・。
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