長夢〜願いはたった一つ〜
□現代〜幕末へ 時渡り
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広間みたいなところに連れてこられると、さらに男の人たちが座っていた。
……え、この人たち……なんで和装でしかとも刀を差してるんでしょうか?この家の雰囲気も……昔の家のような?
私は疑問で頭がいっぱいになりながら連れてこられた位置に正座する。
私の目の前に男の人二人。それ以外の人が私の周りを囲って座っている。
不信感と殺意の目線が私を注ぐ。
「お前はなにもんだ?」
目の前にいる男の一人が鋭い目線で私に問いただす。
『な、なにものって、どういうことでしょうか?あなた方と同じ日本人ですが...。あなた方こそ、そんな物騒なモノ持っていていいのですか?』
その鋭い目線から背けるように私は刀に指さして言ってみた。
「……………は???」
しばらくの沈黙のあと男の一人が口を開く。
「なにそれ、ここは新撰組の屯所なんだから当たり前じゃない。」
クスクス笑う男。
『し…んせ…ん…ぐみ??』
どういうこ、とでしょうか?えと………この人たちの和装は普通……?刀を持っているのも……当たり前?ということでしょうか?
私は一つのあり得ない予想が頭を過る。