長夢〜志 あなたと共に〜

□大忘年会
2ページ/11ページ

『うん。千鶴可愛すぎる!!』

私は満足そうな笑顔をすると千鶴は真っ赤な顔をする。

「えとっ・・・あの・・・楓さん・・・」

私の目の前には振袖姿でおどおどする千鶴。もちろん私も振袖姿。

綺麗な着物を身に纏い。軽くおしろいをはたいて紅を塗り、髪も結われて簪をシャランシャラン揺らしている。


やばいね。これは・・・。あいつらに見せたくないわー。独り占めしたいわー。

あれ?でも平隊士には千鶴の性別内緒じゃなかったっけ?まぁ、もういいか。



そして私は千鶴を連れて広間までくる。

「楓さん。やっぱりムリです〜〜〜泣」

『こら泣くな!!お化粧が崩れる。』

「楓さんは綺麗過ぎるからいいですけど、私なんて・・・」

千鶴は真っ赤にさせた顔に手を当て隠す。

『はぁー・・・千鶴可愛すぎる。大丈夫だから!!』

「・・・・うぅ・・・恥ずかしいです・・・。」

『ははっ。もういこ!!』


私は笑いながら広間の前で一声かける。


『お待たせしましたー』

「楓さん〜」


ガラッ


「おっ!楓??おっせ・・・・えぇ???」

はやくお酒を呑みたがっていた新八は私たちの姿に言葉を詰まる。

広間にいた皆が目を丸くして息を呑む。


『お待たせしてしまいましたね。』
私はにっこり微笑む。

「・・・・楓か?」
「・・・千鶴か?」

新八と左之がそれぞれ口をパクパクさせながら言う。

『そうよ!可愛いでしょ?!』
私は千鶴ちゃんをズイッと前にやっていたずら笑いする。

「・・・あ、「楓も千鶴も可愛いなー!!!!」

新八が何か言いかけたのを平助がきらきら目を輝かせながら駆け寄ってくる。

『ありがとー!平助。犬みたい。』
私はニコニコしながら平助を撫でる。
「平助くん、ありがとう・・///」

「犬ってなんだよー!!!」
平助は頬を膨らましてすねる。


「いや、これは驚いた!!予想以上だよ!日暮くん!」

「近藤さん・・・あんたの差し金か?」

「歳。忘年会時ぐらいいいだろう?」

『近藤さん!ありがとうございます!!』
「ありがとう・・ございます・・・///」

近藤さんに私たちはにこっとお礼をいう。

「ふん、そうだな・・・今日ぐらい大目にみるさ。なんてったって忘年会だからな。」


こうして楽しい忘年会が始まったのだ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ