長夢〜志 あなたと共に〜

□会津藩からの要請
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『はい。皆の羽織。』

私は皆に手渡していく。
池田屋のときにぼろぼろになった羽織はすべて綺麗に洗濯して繕われている。

「これ・・・」

『会津からの出動要請なのに汚い羽織着ていけないでしょ?』
『昨日のうちに隊士全員分終わってます。』

まぁ、そのせいでほとんど寝れてないんだけどね。
勝手にやったことだからいいけど。


近藤さんは涙目になって感動してるし、土方さんも助かったといってくれたし。皆が喜んでくれたからいいや。


『うん、綺麗な羽織のほうが数倍強く見えるね!!』

新八と左之、一をみて私はうなずく。

「ありがとな!!楓!!」

新八は二カッと笑う。

『いえいえ!!』

「楓さんすみません。何も手伝わなくて・・・。」
千鶴がすまなそうな顔をして近づく。

『千鶴?千鶴がご飯作ってくれたりしてくれたから私は縫い物に集中できたんだよ?実は千鶴も手伝ってくれてたんだから!!ありがとう。』
私が千鶴の手をとってにっこりすると千鶴も笑ってくれた。



「じゃぁ行くぞ!!!」

そういって私たちは出陣した。


幕府側の情報は錯綜していて援軍へと駆けつけた各所で門前払いされた。

『さすがにイラッとするね。』

「まぁ俺たちの扱いなんてそんなもんなんだけどな。」

「そんな・・・。」

『まぁ事実だけど。ってかこんなに錯綜してて大丈夫なの?』

「だな。」

私と左之と千鶴と新八は土方さんたちの後ろでこそこそはなす。

近藤さんと土方さんが粘り強く交渉を重ねてくれて私たちは九条河原で会津藩士の予備部隊とともに待機となった。
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