長夢〜志 あなたと共に〜

□古高捕縛
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夕方から忙しくなった。

昼間巡察に出かけた総司と千鶴が攘夷派で長州の間者である古高俊太郎を捕縛して帰ってきたからだ。


拷問か・・・嫌だなぁ・・・可哀想・・・。


縁側に座っていると新八が五寸釘と蝋燭をもってやってくる。

『新八・・・それ・・・』

「あぁ。中々口をわらねぇらしい。」
「土方さんが直々に相手することになって道具不足で追加だ。」

『そう・・・。』

私は少し顔をゆがめた。新八は私の頭をポンポンなでてそのまま土方さんのところに向かった。

廊下の奥から平隊士の声が聞こえる。

「副長には人間の心はないのかもしれんな。」
「あぁ。あれはやばいな。非情すぎるだろ。」
「さすが鬼だな。」
「あぁ、敵ながら同情する。」


私はその平隊士たちを睨んで立ち上がった。

『貴方たち・・・今副長のことを話していた??』

「日暮組長!!」

『なに?副長が非情だって?人間の心がないっていった??』
『ふざけるなっっ!!!』

私は平隊士たちに怒声をあげた。
その声を聞きつけ左之と一が駆けつける。

「おっおい・・どう・・・」
『お前たちが副長の代わりにやったらどう!!?誰のために嫌な役を引き受けてると思ってのッッ!!!』


私は平隊士たちに殺気を向ける。

「ひっ・・・」
「す、すみませんでした」


「おい、楓おちつけ。」
左之が私の後ろから腕を回して自分のほうに引き寄せる。

「お前たちも無駄口叩いてないで隊務にあたれ。」
一が平隊士たちに言って平隊士たちは怯えるようにその場を後にした。


平隊士たちがいなくなって私は少し落ち着く。

『・・・ごめん。取り乱した。』

左之の腕を外し、二人に謝る。

「大丈夫か?」

『手ぬぐいとお湯を準備してくるね。』
『・・・二人ともありがとう。』

私はそういい後にした。
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