長夢〜願いはたった一つ〜


□やっとの思いで
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『仙台・・・ですか?』

左之助さんから言われた言葉に目を丸くさせる。

「あぁ。確かな情報だ。平助たちは北に向かっている。なんでも山南さんが千姫を人質にとって羅刹の国なんてものを作ろうとしているらしい。」

『山南・・・さん・・・。』
『平助くんと千鶴ちゃんはお千ちゃんを助けようとして・・・』

「あぁ。土方さんは平助に離隊させて山南さんを始末するようしたらしい。俺たちも仙台に向かうぞ?」

『はいっっ!!!』



急がなきゃ・・・・平助くん、千鶴ちゃん・・・無事でいて!!!!


『でも、左之助さん・・・その情報って・・・』



仙台に向かう途中の道でふと疑問に思ったことを聞いてみた。

「それは俺だぜ?姫さんよ♪」

急に聞こえてきた左之助さん以外の声。


『不知火さん!!!!』
私は姿を見るなり思わずその人物に抱きつく。

「おわっ!」
私に抱きつかれて少しバランスを崩しながらも私を支えてくれる不知火さん。

「姫さんは昼間っから大胆だなぁ〜〜〜」


『へっ?』

「おいっ!!!」
左之助さんにベリっと剥がされ後ろから抱きしめられる。

「なんだよ、原田ぁ。」

「秋月に触るなよ。」

『あ・・・・ごめんなさい・・・。つい、不知火さんが無事なのが嬉しくて・・・』
やっと自分のしでかしたことを理解した私。


「ったく。お前は・・・。」

ハァとため息をつきながら私を解放する左之助さん。


『不知火さん・・・左之助さんを守ってくれてありがとうございました!』
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