長夢〜願いはたった一つ〜
□別々の道
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『お世話になりました。』
涙を堪えて笑顔で挨拶する。
「秋月さん・・・」
『千鶴ちゃん。大丈夫。また絶対会えるわ。』
「はい・・・。」
『それまで平助くんが無茶しないように見張っててね?』
千鶴ちゃんに耳打ちすると顔を真っ赤にさせながら「はい」っと答えてくれた。
「あんまり無茶するなよ。」
『土方さん・・・。』
『本当に・・・本当に・・・ありがとうございました。』
私が涙ながら頭を下げればその頭を撫でてくれる。
みんなにそれぞれお礼を言う。
最後は・・・
「秋月。」
『・・・左之助さん・・・』
素直に私が彼の名前を呼べば彼はいつもと変わらない優しい笑顔を向けてくれる。
『・・・待っててくださいね?』
「あぁ。絶対戻って来い。」
『はいっ・・・』
自然と涙が溢れてくる。
左之助さんは私に近づき包み込んでくれる。
『・・・信じて、ます。』
「俺も秋月を信じてる。」
私の涙を優しく掬ってくれて目線をあわす。
「・・・いつまでも待っている。」
『すぐに行きます。』
私たちは口付けを交わす。
そしてそれぞれの道に歩みを進めた。