長夢〜願いはたった一つ〜
□決意
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大阪湾から江戸に戻る前日。
私は土方さんに離隊を申し出た。
「本気か?」
『はい。これ以上新撰組にご厄介になるわけにはいけません。そして私にはやらなきゃいけないことができました。』
私はまっすぐ土方さんを見つめ伝える。
「・・・決意は変わらねぇか。」
『はい。』
『私を斬りますか?』
「馬鹿いってんじゃねぇよ。」
土方さんはハァとため息をつく。
「本当なら近藤さんの許可なしに離隊はできねぇが、今の状態はしょうがねぇ。それにお前は隊士じゃないしな。」
「あいつのことはどうすんだ?」
『千鶴ちゃんは平助くんがついていれば大丈夫です。』
「そうじゃねぇよ。」
そういわれて誰のことを言われているか気づく。
『・・・ちゃんとお話します。』
『私は自分の用事が終わったら必ずあの人の元に戻ります。』
私がにっこり微笑めば土方さんも優しい目を向けてくれて頭を撫でてくれる。
「無茶するんじゃねぇぞ?」
『はいっ!!お世話になりました。』
土方さんの言葉に私は涙が出た。