長夢〜願いはたった一つ〜
□決断が迫られる
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慶応三年十二月 王政復古の大号令が下された。
薩摩・長州藩が統幕の意志をあらわして将軍徳川慶喜公が京都へと進軍する。
新選組も将軍にしたがって伏見奉行所に入り戦闘に備えることとなった。
そして近藤さんは先日何者かに狙撃されて前線を離れている。
皆近藤さんがいないからか落ち着かないみたいだった。
この前から、私は自分がどうしたらいいのか迷っていた。
「あいつらのためになにかしてやりたいな・・・」
原田さんの言葉が離れない。
月をぼんやり見ながら考える。
(かぐや・・・)
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なんだ。そろそろ身体を捧げる気になったか?
・・・貴女は私の身体をもらう気なんてないんでしょ?
なぜじゃ?なぜおぬしはそう思う?
ずっと一緒にいるんだから分かるわ・・・。
ねぇ、今までずっと逃げてきたけど・・・ちゃんと向き合いたいの。
貴女のことも自分のことも・・・。
教えてくれないかしら?
・・・・・・本気か?
この話を聞けば原田と一緒に居れなくなるかもしれんぞ?
大丈夫。話して・・・。
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私はかぐやの話を聞いた。