長夢〜願いはたった一つ〜
□要注意
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私と平助が大怪我を追った事件は油小路の変と呼ばれるようになった。
その油小路の変からまだ一ヶ月もたってない。
慶応三年十二月
私はすっかり体調もよくなり、精神的にも落ち着いた。
かぐやもあれから出てこない。
斉藤さんはほとぼりが冷めるまで土方さんの命で屯所を離れることに。
平助くんは羅刹となった。
油小路の変のあとだからか、ここ最近屯所の中は騒がしい。
私は平気だというのに土方さんは私を部屋から出してくれない。
部屋でやることもなくぼけっとしていると襖があく。
「部屋に居てくれましたか・・・。よかったです。」
姿を現したのは山南さん。
昼間動くのはかなり辛いはずなのに・・・。
『起きてて大丈夫なんですか?』
「えぇ。ゆっくり寝ることができないぐらいの妙案がうかんのです。」
顔が喜びながら目が鋭く私を見ていた。
そして山南さんは話し始めた。
私は紅桜を握りながら静かに聴いた。
山南さんが話したのは、私の血に羅刹の狂気を抑える力があるかもしれない。ということ。
そしてそれに私に協力しろ。ということ。
山南さんは狂ったように笑っていた。
そして、私を見据え抜刀した。