長夢〜願いはたった一つ〜


□潜入調査
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数日後、土方さんの部屋に行くと土方さんから思いもよらない任務の話がでた。

『せん、にゅうですか………?島原に。』

「あぁ。角屋は長州のやつらもよく利用しているらしい……」

土方さんの話によると、まだ京に潜伏している長州は多いらしく島原も利用しているらしい。
しかし、秘密厳守の島原の人たちから話を聞けるのはそこまでで、動向はわからないままだそうだ。

土方さんは島原に潜入させてくれる協力者を得たそうだか、その潜入には女という条件つきだそうだ。

私か、千鶴ちゃんかということになるが私の方が武術に長けているということで私に話がきた。


「まぁ、これは強制じゃねぇから嫌なら断ってくれていい。」

『………わかりました。大丈夫です。こなせるか分かりませんがやらせていただきます。』

私が了承すると土方さんは少し驚いた顔をしたがフッと笑った。

「そうか。期間は2週間だ。頼んだぞ。」

『はい。わかりました。』
私はもしかしたら綱道さんの情報も入るかもしれない。そう思い頭を下げた。




広間に集まった幹部たちに土方さんはその旨を伝えた。

「なっっ!!冗談だろ!!」
皆驚いたが一番原田さんが怒ったように驚いていた。
今にも土方さんに殴りかかりそうな剣幕の原田さんは怖かった。


「あぁ?こいつが決めたことだ。なんか文句あんのか?あ?」
土方さんも負けず劣らずの剣幕て原田さんを睨んだ。

『あ、あの………お、落ち着いて………』

「………お前が自分で決めたって本当か?」
ジロッと原田さんは私をみる。

『………はい。』

「まぁまぁ、秋月ちゃんがいいなら良いと思うよ。それに秋月ちゃんにも色々考えがあってだよね?」
沖田さんが間に入りにこっと微笑む。

沖田さんはきっと気付いているんだろう。私が綱道さんの情報も手に入れたいために潜入することを。

わかっていて何も言わず助け舟を出してくれるのは沖田さんの優しさだ。

『はい。』

「秋月ちゃんもこう言ってるわけだし、まぁ左之さんの心配もわかるけどね?」
沖田さんはクスクス笑いながら原田さんを見る。

「潜入の期間、護衛ぐらいはつけるんでしょう?土方さん。」

「あぁ。角屋に一室設けてもらって幹部は交代で待機してもらう。」

土方さんの言葉に原田さんは渋々了承した。

私の島原潜入が決まった。
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