長夢〜願いはたった一つ〜


□制札を守れッ
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幕府は長州征伐の命を各藩に出していた。
調停により長州は藩そのものは何事もなく存続していて、その後長州藩の動きは収まっていたようにみえたのだけれど・・・

最近になり動きが活発になり、夏には第二次長州征伐が行われた。

しかしその最中、徳川幕府十四代将軍、家茂様が亡くなった。そして戦線離脱する藩も現れ始め幕府軍の大敗北という衝撃的な結末で幕を閉じたのだ。


私はそんな中でも屯所でいつもどおりの仕事をしていた。


千鶴ちゃんは巡察に出ていて今日はたしか斉藤さんと一緒だ。

長州藩は朝敵として京を追われているけど残党がまだ京に潜伏しているらしい・・・。

長州といえば綱道さんの情報が何か入るかも・・・と私は空を見上げながらつぶやいた。




巡察から帰ってきた千鶴ちゃんは女の子を助けた話をしてくれた。

「それで、私が女って一目で気づかれちゃったんです・・・。」

私の前で千鶴ちゃんはしゅんとする。

『そっかー・・でも私も自分の男装自信ないけどね?』
私はクスクス苦笑いした。

『でも・・・私も久々に着物をきたいわ・・・』

「秋月さんの時代も着物が主流だったんですか?」

『ううん。私の時代は主に洋装だったの。でも私は家柄着物を着ることも多かったわ。だから着物も好きよ。』

「へぇ〜そうなんですね!!秋月さんの着物姿いつか見てみたいです!!」

『え〜?ここにいる間はムリじゃないかしら。』
私は笑いながらいう。
『でも、いつか機会があれば・・・ね?そのときは千鶴ちゃんも見せてね!』


こんな風に女の子同士の話は私は初めてだった。


『あっ、今日は満月だから・・・先に寝てて?』


私は千鶴ちゃんにそういうと舞う準備を始めた。
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