長夢〜願いはたった一つ〜
□居場所
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この日はばたばたいつになく屯所が騒がしい雰囲気だった。
どうしたんだろう・・。と千鶴ちゃんと廊下を歩いていると前から焦って逃げてくる伊東さんの姿が。
話しかけると、どうやらお医者さんが来ていて隊士たちの健康診断をしてくれているそう。
伊東さんはお医者さんの態度がどうとか隊士たちの態度も野蛮だとか、色々ぶつぶつ言っていた。
「お医者様のお名前はなんというのですか?」
ふと千鶴ちゃんが尋ねると。
「たしか・・・松本良順とかいったかしら。」
伊東さんが答えると千鶴ちゃんは驚いた。そして私の手をとり走り出す。
「私たちも健康診断いってきます!!!」
『え?え?千鶴ちゃん!!?』
「秋月さん!松本先生は私の知人で京に来たとき本当は最初に頼る予定の人だったんです!!」
『あ、うん!!言ってたわね・・でもね?ち、千鶴ちゃん・・・』
私は必死に千鶴ちゃんを止めようとしたが千鶴ちゃんは興奮して止まらなかった。
そして広間まできて襖を開けて入っていった。
そこには・・・
上半身裸の永倉さんが先生に筋肉自慢していて他の、平助くん、斉藤さん、原田さんも上半身裸だった。
「ん?秋月。」
「おっ、お前らどうしたんだよー」
『わわわわ!!!!』
私は顔を真っ赤にしてバッと背中を向ける。
「す、すみません・・・」
千鶴ちゃんはそのまま前を向いているが少し頬を染めていた。
さすが医者の娘ね・・・。
松本先生は休憩を促し千鶴ちゃんをつれて席をはずした。
私も一緒に広間をでた。