長夢〜願いはたった一つ〜


□西本願寺〜再会
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新撰組の屯所が西本願寺に移転した。

平助くんも帰ってきて、どこか千鶴ちゃんは嬉しそう。

山南さんの様子はだいぶ落ち着いていて、あの夜のことが嘘みたいだった。

『今日は千鶴ちゃんは平助くんの隊と巡察だなぁー・・・なんか情報があるといいんだけれど』

綱道さんの情報は全然入ってきていないようだった、でも千鶴ちゃんはいつも元気で・・・私は少しでも千鶴ちゃんの力になりたいと思っていた。


『まぁ今日もおいしいご飯を作って迎えなきゃっ!!今日のご飯は・・・』
勝手場について、今日の献立を考えていると・・・

「秋月の飯はうまいからな。」

『!!!原田さん!?びっくりしました。』
いきなり後ろから声がすると思って振り返れば原田さんの姿があった。

「味見がてら、手伝いにきたんだが・・・」

そういい辺りを見渡す。

『残念でした。これから作るところですよ?』
私はクスクス笑う。
『それに、味見といってつまみぐいは駄目ですよ。』


「ちっ。なら手伝ってやるよ!」
原田さんはいたずら顔で笑いながら私の隣にたつ。

『・・・じゃぁおねがいします。』
私はお言葉に甘えた。

『今日は煮物と厚揚げと大根のお味噌汁です!』

「おっ、そりゃ楽しみだ。」

私と原田さんは隣にたって作業を始めた。

作業を進め私は原田さんをちらっとみる。

原田さんはきっととてもいい旦那さんになるだろうな・・・こんな風に家事を手伝ってくれたり・・・

って私は何を想像しているんだろう・・・///

「ん?どうした??」
急に原田さんが私のほうを向いてくるから私は手元が狂って指を切ってしまった。

『イタッッ』

ツーッと赤い血が指先から流れる。

「!大丈夫か?」
原田さんはあせって私の手をとる。

『すみません。大丈夫です・・・はっ、はらださん!?』

「ん?じっとしとけ。」

原田さんは私の指を自身の口に含んだ。
私は顔を真っ赤にしてその光景を見ていた。


ドキドキドキドキ

私の心臓が痛いくらい響いていた。
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