長夢〜願いはたった一つ〜
□敵か、味方か。
1ページ/4ページ
『ん・・・』
私は目を覚ました。
身体がだるいが起き上がると横には私の手を握りしめた原田さんが寝ていた。
『・・・原田さん・・・』
初めて会ったときもこうして横には原田さんがいた。
「ん・・・?」
原田さんは目を覚ますと身体を起こした私と目が合う。
「秋月??」
『ハイ・・・。』
ギュッ
私が答えた瞬間原田さんは私を抱きしめる。
「よかった・・・。目が覚めてくれて・・・。」
『心配かけてごめんなさい・・・』
私は原田さんの背中に思わず手を回す。
『・・・・夢を視ていました・・・。辛い夢・・・。でも原田さんの声が聞こえたんです・・・。』
『きっと、原田さんが助けてくれたんですね。』
私は涙目になりながら原田さんに微笑む。
「いっただろ?お前は俺が守るから・・・」
「『俺だけを見てろ』」
二人の声がハモリ私たちは見つめあって笑った。
少しして原田さんは気まずそうに話始めた。
「な、なぁ・・・お前・・・なんで池田屋って分かってたんだ・・・?」
『・・・・』
私は黙ってしまう。予知なんて普通の人間はできるはずがないし、怪しまれてしまうんじゃないか・・・そう考えると不安でたまらない。
「言いたくないかもしれねぇが、俺はお前秋月を信じる。だから話して欲しい。」
原田さんははっきり私の目をみて言う。
『・・・私も原田さんを信じます。』
『幹部の皆さんにお話します。』
私も原田さんの目を見つめて宣言する。