長夢〜願いはたった一つ〜


□枡屋 古高捕縛
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私の合気道をみた近藤さんは喜んでくれ、土方さんは千鶴ちゃんにも護身術として稽古するよう言ってくれた。

少しは認めてくれたようです・・・。

壬生寺を後にした私は勝手場に向かって、そこにいた井上さんに挨拶をした。

『ここの台所には慣れてないので色々教えてください。よろしくお願いいたします。』

「あぁ、よろしく。」
やわらかい笑顔を返してくれた井上さんは源さんと呼ばれ皆から慕われている。

『夕餉の準備はまた後ほどさせていただきますが、ちょっと食材をみてもいいでしょうか?』

「かまわないよ。今日は大根が新鮮なのがあるよ。」

『そうですかぁ!ありがとうございます!』
私はお礼を言うと食材を一通りみて夕餉を考えた。
井上さんに一礼をして私は勝手場を後にした。


「秋月さん!!」
廊下の向こうから走ってくる千鶴ちゃん。可愛いなぁと思いながら私は千鶴ちゃんを迎え入れる。

『千鶴ちゃん、どうしたのぉ?』

「土方さんが、巡察一緒について行っていいと許可を下さったんです!!」
千鶴ちゃんは嬉しそうに私の手を握る。私より少し背の低い彼女の笑顔は本当に可愛い。


『そうなんだ!!よかったねぇ!!これでお父さんの聞き込みできるね!!』

「はいっ!!ありがとうございます!!」

『でもあんまり無理しちゃだめよぉ?』

「はいっ!!」

『おいしい夕餉作ってまってるねぇ!!』

「楽しみにしています!!では、準備してきますね!!」

千鶴ちゃんは終始笑顔で部屋に向かった。

 
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