長夢〜志 あなたと共に〜
□制札警護
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『うぅ〜・・・・あつくなってきたなぁ・・・』
京の夏は暑い。お気に入りの屋根の上で日向ぼっこもなかなかできない。
だから今は縁側でごろごろ中。千鶴は一と新八と巡察中だし、左之と平助は稽古中だし。
総司は寝てるだろうし。
寒いのも嫌いだけど暑すぎるのも嫌いだッッ!!!
はぁ・・・そういえば金平糖がそろそろなくなりそうだし、町に買いに行こうかな。非番だし。
「日暮組長。」
『嫌だ。』
「まだ何も言っていません。」
『嫌だ。どうせ合議でしょ?私出ない。』
「そんなこと言われましても・・・。」
『絶対出ない!!!』
私はごろごろしながらそっぽを向く。
すると今度は怒鳴り声。
「楓!!!!てめぇ駄々こねてんじゃねぇ!!!」
『鬼・・・。』
「あぁ?てめ、なんか言ったか?」
『・・・・地獄耳・・・』
「いいからさっさと来いっ!!山崎に迷惑かけてんじゃねぇよ。」
『やっぱり鬼・・・。』
私は土方さんに後ろ首を引きずられながら広間に連れて行かれる。
『だいたいさ?なんでいつもいつもいつも私が非番のときに合議になるわけ?こっちにだって予定ってもんがあるんだから。』
ぶつぶつ言いながら土方さんに引きずられる。
「お前の予定は金平糖買いに行くぐらいだろ。」
『そうですけど・・・。』
新八の前までくると放り投げられて新八が受け止める。
「っと。大丈夫か?」
『ありがと。新八。』
私のご機嫌は斜め下がり。
「ほらよ!」
土方さんが渡すものを見れば私のご機嫌は一気に右肩上がり。
『わーい!!!がんばりますっっ!!』
「お前は・・・単純だな・・・。」
新八は苦笑いして私の頭をポンポン叩く。
私は土方さんからもらった金平糖を一粒口にいれニコニコする。
私の機嫌が直ったことを確認してから土方さんは話し始める。