長夢〜志 あなたと共に〜

□屯所移転合議
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楽しい忘年会から年が明け、もう二月。


『お茶が入りましたよぉー』

私は千鶴とみんなのお茶をもって足で襖を開ける。

「てめぇ、足であけんな!!」

土方さんの注意を軽く流し私は皆にお茶を配る。


「はぁ。この屯所もそろそろ手狭になってきたな。」

土方さんのため息に皆がうなずく。



平助が江戸に行き、新しい隊士を募ってくれて・・・

屯所もだいぶ狭くなった。

幹部は基本個室が与えられていて、千鶴も特別に個室をもらってる。
そんな千鶴は心苦しいのか苦笑いを浮かべる。


『でも私たちを受け入れてくれる場所なんて中々ないでしょ。』

私も自分のお茶に口をつける。

「西本願寺」

土方さんがニヤッと笑う。その言葉に総司が笑う。

きょとんとしている千鶴に一が説明する。

「西本願寺は長州に協力的で何度か浪士をかくまっていたこともある。移転すれば長州は身を隠す場所を一つ失うことになる。そしてあそこならいざというときに動きやすい。」

簡潔で分かりやすい説明に私は隣でうなずく。

千鶴もなるほど〜とうなずく。


しかし、山南さんは冷たい目をむけ反対する。

近藤さんも土方さんも山南さん。二人の意見に頭を悩ませる。

山南さんは腕を怪我してから人が変わったように冷たくなった。


前は優しいお兄さんみたいな人だったのにな・・・。
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