長夢〜志 あなたと共に〜

□禁門の変
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天王山に向かう途中・・・

金髪の男が道の真ん中に立っていた。

土方さんがまてと手で制すが一人の隊士が飛び出す。


『ちっ!!!』

「あっ!おいっ!!ちょっとまて!!」

新八が言うよりはやく私は飛び出し隊士の腕を引っ張り、その瞬間男からの刀を自身の鞘で受け止めた。

『ったく!!血の気の多い連中だね!!新八の隊は相変わらず。』

飛び出した隊士はしりもちついて後ずさり私も男と距離をとる。

私をかばうように新八と土方さんが前にでる。

「わりいな。楓。」

「てめぇは無茶すんな!!」

『なんで私が怒られるんですか!!』

私は不服そうに二人の隣に並び抜刀する。


「ほう。俺の一撃を受け止めたか・・・。」
「貴様らは新選組だろう?池田屋に乗り込んできたかと思えば今日もまた手柄さがしか・・・。」

『貴方が総司をやった人ね・・?』

「沖田といったか・・・?あの男も非力だ。」

「貴様らは武士でもなんでもない。武士の誇りも知らぬ百姓集団が・・・腹を切る時間と場所を求め天王山を目指した長州侍の誇りを何ゆえ理解せんのだ!!!」

金髪の男は怒鳴る。

『・・・戦いを舐めないでもらえますか?自分たちから戦いを仕掛けておいて、殺される覚悟もないなんて・・・』

「あぁ。それこそ武士の風上にもおけねぇな。」

土方さんも抜刀する。

「お前が邪魔をするなら俺が相手になってやる。」
「新八!こいつは俺に任せてお前らは先に行け!!」

ガキンッ!!

土方さんの刀と金髪の男の刀が交わる。

「でも・・・」

『新八行こう。私たちの今の任務を全うしよう。』

私は刀を鞘に戻し新八を見つめる。

「・・・土方さんよ。この部隊の指揮権限今だけ俺が借りておくぜ!!」

土方さんはニッ笑う。

「うっし!!お前ら行くぞっ!!」

隊士は「おぉ!」といって天王山に走り出す。

『私も残ったほうがいいですか?』
私はニヤッと言うと土方さんも笑う。

「ばか!!俺を誰だと思ってやがる!早くいけっ!!」

『了解!鬼副長!!』


そういって私は隊士たちの後を追った。
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