長夢〜志 あなたと共に〜
□古高捕縛
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しばらくして、土方さんと山南さんたちが大阪から帰ってきた。
そして落ち着いてきた頃、私と一、総司は土方さんに千鶴の外出許可をお願いした。
そして、千鶴の巡察同行が認められた。
『大丈夫かな・・・本当は今の時期に巡察の同行なんて・・・』
「気をつけます!!」
「楓ちゃん大丈夫だよ!今日は僕の組だし・・・。」
千鶴も総司も私の心配を苦笑いで返す。
まったく、本気で心配してるのにー!!!
『総司、千鶴にかすり傷一つでもついたら、地獄に落とすからね!!!』
私は総司を睨む。
「ははっ、大変だな総司。」
後ろから左之と新八がやってきて笑う。
「千鶴ちゃん、足手まといにならないでよね?僕が楓ちゃんに殺されちゃうから。」
総司は笑いながら千鶴を脅す。
千鶴は苦笑いしながらハイと答えた。
巡察にでる総司と千鶴、平隊士の皆を見送る。
一歩遅れて土方さんがやってくる。
『土方さん、千鶴のことちゃんと考えてたんですね!意外でした。』
「お前・・・俺をなんだと思ってるんだ。」
『・・・恐れおおい鬼副長・・・』
「・・・楓。てめぇ・・・仕事ふやすぞ?」
『い・や・です!!たまには一日中休みをください。』
私は土方さんに舌をだしてべーっとする。
「おっ、おい楓。」
「ははっ!土方さん?落ち着け??」
私の態度に土方さんがワナワナ震え、新八と左之は慌ててその場をおさめようとする。
「てめぇ・・・・」
『あっ、土方さん。今日は土方さんの好きな沢庵ですよ!おいしいの手に入ったんで!!楽しみにしててください!!』
私がにっこり微笑むと土方さんは黙る。
「まぁいい。俺は仕事に戻る。」
そういって踵を返す土方さんの表情は少しだけ笑っていた。
『あとでお茶もっていきますね!!』
土方さんの後ろ姿に声をかける私。
「さすが、楓だな。」
「だな・・・。」
新八と左之がボソッとつぶやく。