長夢〜志 あなたと共に〜

□会津藩からの要請
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「千鶴・・・眠くなったら寝ていいぞ?」
左之が千鶴に言う。
夜も結構更けてきた。

『そうだよ。寝れるときに寝ておいたほうがいい。』

私はそういい席を立つ。

『ちょっと土方さんのところにいって来る。』



『土方さん。』

「なんだ?」
私は土方さんの傍に行く。

『きっと明日、動きがあるでしょう?山崎と一緒に情報収集にでますか?』

「そうだな・・・。山崎には先にでてもらう。楓は朝方出てくれ。」
『朝方でいいんですか?』

土方さんの指示に目を丸くする。

「あぁ。それまで少し寝とけ。どうせ、これであんま寝てないんだろ?」

土方さんはフッと笑いながら私の頭をワシャワシャする。

『頭が崩れるんでやめてくださいっ!!』
『ありがとうございます。じゃ、お言葉に甘えます。』
『山崎、よろしくね。』

「承知。」

木の陰から出てくる山崎に土方さんは目を丸くする。

「ちっ。いたのか。」

『気づかなかったんですか?』

「今となっては日暮組長ぐらいですよ。自分の気配を読み取れるのは。」

『そう?』
『まぁ、いいや。おやすみ。』

私は少しだけ笑ってその場を後にした。


新八たちのところに戻ると千鶴はもう寝ていた。

『ただいま。』

「おう、どうだった?」

『山崎を先に向かわして朝方私は出る。』
『だから少しだけ寝るわ。』
『新八、ひざ貸して!』

私はそれだけ言うと胡坐をかいた新八の太ももに頭を乗せる。

「えっ?おっおい・・・」

「楓?俺んとこでもいいんだぜ?」

『左之は手出されそうだからいい。』

「ひでぇな。」
左之はクスクス笑う。

『・・・・ん・・・』

「寝ちまったか・・・。新八。大変だな。」
「・・・あぁ。」

寝てる間なんか頭にふわっと撫でられているような感覚がしていた。
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