長夢〜同居人はイケメン君!〜
□05 一緒の帰り道
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その日の夜。22時を回った頃りんさんは俺の店に来た。
「もう来ないかと思ったぜ?」
『ごめん・・・教授部屋の掃除に予想以上に時間がかかった・・・』
カウンターに座りハァと疲れを吐き出すりんさん。
「お疲れさん。酒呑むか?」
『うん呑みたい!左之くんつくれるの?』
「まぁ一応バーテンだしな。」
『イケメンだね、一々。』
そういうとりんさんはにこっとわらってモスコミュールを頼んだ。
「ほら。」
『ありがとーー。』
りんさんが口につけるのを見守る俺。
感想が気になるなんてな・・・。
そんな自分らしくない思いを抱きながらもりんさんの答えをまつ。
『おいしーねー!!』
ドキッ
満面の笑みをくれたりんさんにドキッとする。
「そいつはよかった。」
そういって俺はなんでもないかのようにする。
そしてしばらくおつまみや俺が特別につくったあり合わせのサンドイッチをつまむ。
「昼間は悪かったな。」
『ん〜?いいよ〜別に気にしてな〜い。』
『彼女にとってもいい経験だよ!』
「やっぱ大人だな?」
とことん大人な考えのりんさんに苦笑いが漏れる。
『左之くんも少し大人だよー?』
「?なんでだ?」
思いがけない言葉に首をかしげる。
『あのあとちゃんとフォローしてたじゃない。普通の学生はからかったり、その子を責めたり、慰めたり・・それだけ。フォローするのって中々ないんだよ?』
「そうなのか?」
『うん、フォローって考えてやると難しいからね。だから左之くんは少し大人。』
そういってにこっと笑ってくれるりんさんの笑顔に俺も自然と笑顔になってしまう。