現代パロ・お話
□secret love〜ベランダ編〜
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準備も終わり・・・20人全員がそろい、楽しく呑み始めた。
お酒に詳しいのは、このサークルの主催者でもある高杉先輩。
それと、一橋財閥の息子でもある慶喜先輩。
女の子から大人気の先輩達。
このサークルの女の子は、ほとんどがこの2人の先輩目当てだろう。
4年の春に、こんなのんきにサークル活動をしている2人。
まぁ、2人とも、去年のうちに大企業に内定が決まっているのだから、もちろん余裕なのだ。
「この大吟醸はキレがあって旨いな。」
「そうかい?こっちの濁り酒も、のど越しがよくてなかなかだよ。」
高杉先輩と慶喜先輩が、酒の品評をしている。
それを聞きながら、俺達も、日本酒を飲み比べていく。
「うわぁ〜これ、物凄くフルーティで飲みやすい。ほんとに日本酒なんですか?」
「もちろんだよ。君たちの為に用意したんだ。」
慶喜先輩の言葉に、周りに居た女の子たちから黄色い声が飛び交う。
「こっちは、物凄くきりっとしてるけど・・・後味が物凄くいいの。」
「ああ、それは俺が選んだものだ。これだと、ぐいぐい飲める」
「さっすが高杉先輩。」
こっちも、高杉先輩の周りを囲んでいるかのように、女の子が固まってくる。
だけど・・・○○は違った。
俺が選んだ日本酒をちびちび呑みながら、どちらかというと食事を楽しんでいる。
「いいのか?○○も高杉先輩や慶喜先輩の近くに行かなくて・・。」
本当はそんなこと聞きたいんじゃない。
だけど、そんな風にしか声をかけられないでいた。
「う〜ん?わらし・・・は・・・、おいしいの食べれるのが・・・いいの・・・。」
「○○?酔ってる?」
「そんらことは・・・?う〜ん。わかんらい。」
明らかに呂律が回っていない○○。
「ちょっと酔いでも覚ますか?」
「う・・うん。」
皆が2人の先輩に夢中の間に、俺は○○を連れてベランダへ出ることに成功した。