リナリア
□01 出会い
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タタタ……
「もう、先生、雑用多すぎ!少しだけって言ったのに…」
瑠依は校内を走っていた。
放課後、担任に雑用を頼まれ、やっと終わったところだが、思った以上に時間が経っていた。
そして、角を曲がった瞬間_
「きゃっ……」
「おっ……」
ドンッ__…
人にぶつかってしまい、後ろに倒れ尻餅をついてしまった。
「……ってぇ…」
「…いたた…ごめんなさい!大丈夫ですか!?」
「…あぁ…大丈夫…。そっちは?」
「あ…私も大丈夫です…ほんとごめんなさい」
そう言って、立ち上がろうとした。
「ほら、手ぇ出せ」
「え?……あ、ありがと………っっっ!?」
差し出された手を素直に取り、立ち上がらせてもらった瞬間、そのまま手を引かれ男の方へと引き寄せられた。
そして、唇に柔らかい感触があたった。
バチーン!
「何すんのよ!変態!!」
唇が離れた瞬間、瑠依は相手の頬を叩き、その場を立ち去った。
「……イテテ…元気な女。……逃がしたくねーな」
男は、去っていく瑠依の背中を見つめながら舌舐めずりをした。