グリムワール学園
□第6章 使い魔との絆と新たな出逢い
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重い口を開いて語られた物語は静寂を招く。3人の間には続く沈黙。その沈黙を破ったのは
「…そんな事が、あったのね。私はこの《学園》は平和な所だと思ってた。初めて見た時とても綺麗で静かで…でも、違う……。」
ラ「……嫌になった?この場所が…」
暗い顔で問うラファウ。それを否定するように小さく頸をふりながら言う謳歌
「《目先に見えた幸せ》なんて私はいらない。私に少しでも《力》があって少しでも《護れる》なら私は本当の平和を手にいれる為に戦う。」
謳歌の瞳に揺らぎはなかった。瞳には確かな決意が見えた。それは何時の刻に見た《神》が見せた《瞳》と変わりなかった。
ル「…。やっぱり、貴方は…僕は…」
「私は…ルカ君たちが知ってる《神》ではないよ。それでも、この場所を護りたいと思う。だから、もっと教えて欲しい。この《場所》の事《学園》の事を、お願い」
ラ「謳歌さんの気分が優れたらだけど、僕達以外にも多くの生徒がこの学園に居る。その内の《委員会》の人達に君を紹介したいと思ってるんだ」
ル「無理にとは、言わない。もう少し後でも構わないよ…?」
「…私は会ってみたい…ルカ君、お願い、会わせて欲しい。私は…いろいろ知りたい。私の知らない事、全部。知らなかった、で終わらせたくない…!」
真っ直ぐルカの瞳を見て言う謳歌。ついこの間来たばかりの謳歌だがその瞳に揺るぎはなくしっかりとした《決意》が感じ取れるくらいだった。
ル「…ん、わかった。ラウ、謳歌を紹介しに行くのは明日になったよ。」
ラ「そうだね。わかったよ…謳歌さん明日はけっこう歩くから今日はしっかり休んで欲しいと思うよ」
「ありがとう…ルカ君、ラファウ君。それと、ミコトさんの様子が知りたいの。会いに行っては駄目?」
ル「……どうだろうね。少し不安な点があるんだ。リドに聞いてくるよ…何もなければ、ミコトに会いに行ってやって欲しいと思う。ちょっと待ってて」
ガチャ…パタンーー
ルカはミコトとリドの様子を見に行った。ラファウと二人きりになった謳歌は…
「…まだ、震えてるね。本当に大丈夫だよ」
ラ「…ハハ。やっぱりバレてた?ごめんね、不安になってね。」
哀しげに笑みを浮かべるラファウの頬にそっと手を差しのべ、頬に触れる。
「大丈夫…ありがとう。」
安心させるよう微笑みながらお礼を伝える謳歌だった。