グリムワール学園
□第2章 理由
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ル「《悪魔》達が活発に動き出してきた。いつもより期間が早いんだ。とても、こんなことは初めてなくらいに…」
ラ「…だから、遅くならないうちに貴女を呼んでもらったんですよ。」
「…つまり私に、何も覚えてもいない。ある日突然に呼ばれて…理解できないような内容を聞かせて、それで一緒に戦えって言うのですか?」
ミ「……。確かに筋違いだってこと私達が一番わかっているのよ…?でも…」
リ「…嫌なら嫌だってはっきり言えよ!!!俺だってな、お前なんか2度と会いたくなかったよ!人の話もろくに聞かずに勝手に死んだ奴なんてな!」
リ「お前にわかるか?残された者達がどんな想いを抱えてきたかなんてよ!」
ル「…リド。それは筋違いも甚だしよ?少し黙っててよ…」
ルカは謳歌に向けていた視線をリドへと移し、謳歌には見えない角度でリドに静かに告げた。その時の声音はとても冷たく反論を認めないものだった。
「……。わかるわけない…私が《神》?そんな大層なものじゃない。あなた達私の何がわかるの!」
ル「…。リドが失礼な事を言ってごめんね?謳歌…リドは悪気はないんだよ?だから少し落ちつい…」
「…。頭の中がぐちゃぐちゃ。こんなに変な事って起きるんだ…」
最初にルカに連れられてきた時の顔とは明らかに違い、とても悲痛なそれでいて困惑しかしていないような顔を浮かべている謳歌にルカは…
ル「……。やっぱり、皆。ごめん…僕無理だよ。この子を巻き込むなんて出来ない。この子は……この方は!もう、十分でしょ?もう、放っておいてあげよう?」
ラ「ルカ。あんなに話し合っただろう?今さら何を言い出すの?それとも聖戦が起きてから泣きつくの?そっちの方が[酷]ってものじゃないのかな?」
ル「…!! でも、それでも巻き込んじゃいけなかったんだよ。あの時だって死ぬのは僕が死ねば済んだはずなのに!」
ミ「それは違う!ルカあの時《ミカエル》は最善を尽くしたわ。私達の力が足りなかった。あの時の《天使》達は己の力を過信しすぎていただけじゃない!!!」
ミ「あなたが悪いんじゃないわ!あの時の《天界》が悪かったの!そして、それをもともと予期していた《神》が犠牲になり平和をもたらした」
ミ「あの方は…嫌いになりかけていた私達を自らを犠牲にしてまで護ったのよ…」