グリムワール学園
□1章 廻り合う日
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私に喋っているのであろう少年はとても綺麗な金色の髪をたなびかせ深い青の瞳で私をとても優しそうな顔で見ていた。その少年は座り込んで動けない私にそっと手を差しのべてくれていた。
「…あなたは?そしてここは何処?」
?「すまない…いきなりの事で戸惑っているだろう?ここは…グリムワール学園と言う場所の裏山なのだ」
「……グリム…ワール…?」
?「僕が君をココに呼んだんだ。勝手なことをしてごめんね?本当はもっと何かを伝えておけば良かったんだけど…」
「…って、待って下さい。状況がよくわからなくて…私は自宅の道場にいたはずで…」
訳がわからなかった。さっきまでいた場所とは明らかに違う。家は?兄は?一瞬でどうやってここに来た?目の前にいる少年は?何を平然と喋っている?私を知っているようだが…こんな人は見たことがないはず…
ズキッ……ズキッ……ズキン…
何か引っかかる?私はこの人を知っている?なぜ?会ったことなどないはずだ。訳がわからない。誘拐?いや、さすがにあり得ない。いったい何が目的なのだ。
「…私をここに呼んで何がしたいんですか?私の事を知っているんですか?あなたは誰なんですか?」
「…質問攻めして悪いとは思いますが、答えてもらえませんか?」
?「…安心してちゃんと話すよ。やっと会えたんだから…また廻り会う事が出来た。良かった…ずっと会いたかった。」
?「説明をするから場所を移しても良いかい?あぁ、その前に…この姿出会うのは初めてだし…」
?「僕は…ルカ。蒼空ルカ宜しく。さっきも言ったけどここに君を呼んだのは僕だよ」
「ルカ…さん?」
ル「ルカさんだなんて…もっと気楽に呼んでくれる?あんまり堅苦しいの好きじゃないんだよ」
「…ルカ君…?」
ル「うん、その方が全然良いよ」
「…私は」
ル「待って。これから連れていくところで挨拶をしてもらえると助かるんだけど良いかい?」
「……えぇ」
わからない事だらけだが一先ずついていくしか選択肢はなさそうだ。従っておこう…