想定の国のアリス
□エピソード6
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「ごめんくださいませ…って……サカナ?それと……カエル?」
出てきた者に向かいお辞儀をして挨拶をし顔をあげてみてビックリ。出てきたのは燕尾服を纏うサカナとカエルだったのです。
(こんな時間に何ようか?)
(一体全体何ようゲコか?)
呆気にとられ言葉を失うアリスを横目にカエルとサカナは言いたい放題なのです。
(用が無いなら何処かへ行ってしまえ)
(早よう何処かへ行くゲコ。消えろゲコ)
「…え?……あぁ。用事…ね。……私はこの暗い森で迷子になってしまったの。朝までこの家に厄介になる事は出来ないかしら?」
(この忙しい時にそんな用か?)
(なんだゲコなんだゲコ。時間を無駄にしたゲコ)
「そう言わないで、お願いよ。暗い森の中を歩いてやっとこのお家を見つけたのよ。ここを追い出されては行く場所がないの…」
(主に直接聞け、私共は忙しい)
(忙しいゲコ忙しいゲコ。招待状を作成せねば怒られるゲコ)
そう言い残しそそくさと家の中へ入っていく二人を見ていてアリスも後に続くのでした。
家へと入り廊下を歩いて行くアリス。ふとサカナが公爵夫人がと言っていたのを聞いていたアリスは[この家は公爵夫人の家]なのかと疑問に思うのでした。