想定の国のアリス

□エピソード1
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ある日の昼下がりの事です。
アリシア・リデルは姉と木の下で本を読んでいました。けれど姉が読んでくれる本は小さいアリシアにとってはとても難しく面白いとは思えません。ふと姉の方から顔を背けるとそこには時計を持って大急ぎで走り行く「ウサギ」を見つけたのです。

「お姉様!大変よ!!ウサギが時計を持って二本足で走って行くわ!」

(アリシア…ウサギは時計を持って走ったりはしないわ。本を読んでいる時は静かになさい…)

「でも。お姉様、私は本より自分の目で確かめてきたいの!ごめんなさい!!行ってくるわね」

(アリシア!どこにいくの?私は本をしばらくここで読んでるから遅くならないうちに戻っていらっしゃいね)

「ええ、わかったわ。それじゃあね!お姉様」

アリシアは「ウサギ」の走って行った方へ大急ぎで追いかけに行ったのです。「ウサギ」はアリシアに気づくことなく大慌てでとある穴の中へ入って行ってしまいました。アリシアも迷いもなくその穴の中へ飛び込むのでした。
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