虚無ノ欠片
□第漆話
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雨「私が村に来たのは雪葉さんの知っての通りに何年も前です。だいたい10年くらいでしょうか…。雪葉さんには5年ぐらい前にお会いしますよね?」
雪「…えぇ。村の外でですけどね。5年前に村を出たきり僕は村の外に出してもらえなくなりましたから。それまでは少しぐらいは外の町などに行ってましたが…」
雨「それは、義姉さんが出さないようにしたからです。そして、貴女が見たであろう、異形の輩はこの村の[封印]に大きく関わりがあるのです。」
雨「…雫。この子を連れて部屋を出てなさい。」
ミャウ〜〜?!ミャー!!ウミャ〜!!
雫「なんでそんな事しねーといけねーんだよ。俺もここにいる。今さら隠そうとなんかすんなよ!無理にここに連れてきた癖に!!」
雪「雨音さん。白雪を今の状況で自分のそばから離すつもりはないです。それに、聞かせておいた方が今後の為なのではないでしょうか?」
雨「やはり、知っているのですか…?義姉さんや兄さんがしようとしている事を……?ならば、私が言う事も察しがついているんです?」
雪「…詳しくは知りません。教えてもらってないですから。でも、自分もバカではありません。今まで努力を重ねてきました。それは、武道だけでなく勉学もです。この村の事でわからない事なんてないです。自分の力についても多少はわかってるつもりです。」
雨「なら、私達とこの村を出ましょう?雫を連れてきたのも、私より貴女に近づき易いと思ったからです。」