合縁奇縁
□始まりは、ゆめでした
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夢をみました
母さんがいなくなった日の
懐かしくも
昨日のことのように覚えている
ひどく悲しいゆめです
母さんは、まいにちまいにち、色々なことを教えてくれました。
読み書きや、計算…そろばんって言いますかね、それに"あちら側"のこと。
また、夢をみました
あの父さんが、笑って抱きしめてくれた日の
最後になってしまった、あの日だった
父さんはいつも、オレはいつも帰れるかはわからないからねって。
父さんは、自分が生まれる前からあんまり家には居なかったし、すごした時間も母さんほどてはないけど、自分と母さんを心から思ってて、いつもいつも、抱きしめてくれました。
ゆめはとても静かで、さみしいし、悲しかった
だけど、
母さんのゆめとは違って
どこか暖かい、夢なのに、やけに現実味のあるゆめでした
それはまるで、すぐ近くにあなたがいるような、そんなゆめ
そして
貴方に会ったのは、それからすぐのことでした