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□シューアイス
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「センパイ、コレどうぞー」

「んだよ…っと」

フランから手渡されたのは、

「シュークリームアイス…?」

袋に詰められたソレを目の前に持ってきてまじまじと見る。

「んーおしいです。シューアイスですよー」

え、別にそんな変わんなくね?
と考えながらもせっかくなので
貰ったモノを取り出すために袋を開ける。


「つーかコレ、オマエが買ったのか?」

「まぁそうなりますー」


まぁって何だよと声に出しながら一口かじれば口内に冷たいソレが行き交ってゆく。

「あ、ウマい」

「ベルセンパイに同意ですー。マジでそれ文句なしに美味しいんですよねー」



センパイが喜んでくれてミーは嬉しいですー

と控えめにつぶやいたのが聞こえてきたので、

「オレはカエルのデレが見れて嬉しいケドな」

というと案の定、
聞かれていないとでも思った
フランはこちらに向けていた瞳を丸くした後、


「何言ってるんですか…。あー、もしかして

遂にセンパイの頭も暑さにやられましたかー可哀想に」

と言っている割に頬を
紅く染めながら抗議して来るので

「しししっ、満更でもねーって顔してるぜ」

と伝えれば、
面白いことにわたわたとしながらソイツは
両手で顔を触って確認している。


「…そーいうトコロ、王子はほんっと好き」

そう言ってフランの元に近づいて
最後の一口になったシューアイスを

ソイツの口に放り込めば、
その紅く染まった頬は

アイスの冷たさで少しくらい
落ち着きを戻すかと思えば
どうやら逆効果だったみたいで


「だ…、だおーじ」

と再び紅くなったカエルから

舌足らずにだが罵られた。
 
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