小説
□strength
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地球人は甘ったれていると最初から思ってはいたが、実際、過ごしてみるとその想像を遥かに超えていた。
絶対的な強さをもつ者は存在せず、皆団栗の背比べ状態で、オレから見れば全員温室育ちのように見えた。
弱いからだと思っていた。
弱いから、人と人とで助け合って暮らす臆病な種族なのだと、ただただ軽蔑した。
オレは戦闘民族サイヤ人。
生まれ持った強さがすべて。
親子だろうが、仲間だろうが、そういったものは関係ない。
強い者が生き残り、弱い者が散る。
弱い者が身を寄せ合って暮らす様子は傍から見れば滑稽だった。
オレが、それでも地球で過ごし続けたのは、カカロットが地球で育ちフリーザを倒せるだけの力を手に入れた事実があるからだった。
幸い、オレに声をかけてきた女やその父親はその星で最も高度な科学技術を持っていた。
聞けば、カカロットは惑星フリーザに向かうたった数日の間に、100倍の重力下で修業し力をつけたという。
同じことをしていては絶対に勝てない。
だから、300倍の重力室を作らせ、身体を苛め抜いた。