小説
□Who is he?
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しかし、次に彼女が言ったことは俺の想像とは違っていた。
「あんなおかっぱ頭、似合う人なんてそうそういないわ。」
――へ?おかっぱ?
「ちょっと生え際がきっちりし過ぎてていつか禿げてきちゃいそうなのが少し心配だけど。」
まあ似合ってるからいいわ、とそこでディジーはようやく口を休めて、ほっこりと微笑んだ。
その隣りの俺は何がなんだかわからず、頭の上に多量のクエスチョンマークを浮かべる。
――誰、それ?俺の父さんっておかっぱだったっけ?いや違う、誰が見たってあれをおかっぱだなんて言うもんか。
そこまで考えて、ああそういえばと1つの可能性に思い当たる。
まだほっこり笑みを浮かべている彼女に視線を向けて聴く。
「ねえ、その人の髪の色って俺と同じ?」
「うん、そうよ。でも何言ってるの?」
あなたのお父さんでしょ、とでも言いたげにディジーは小首を傾げた。
今度はトランクスがほっこり笑む番だった。
――ディジーちゃん、この間俺んちに遊びに来てた未来の俺を父さんだと勘違いしてたんだ。
俺に似てて当然だよ、だって俺の成長した姿だもん。
≪END≫